日本大学板橋病院の建て替え工事をめぐり、背任容疑で逮捕された医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)前理事長・籔本雅巳容疑者(61)が東京地検特捜部の調べに対し、日大の田中英寿理事長(74)側に「現金3千万円を2回、計6千万円を渡した」と供述していることが、複数の関係者への取材で分かった。日大から設計事務所を通じて籔本容疑者側に流出した疑いがある2億2千万円とは関連しないと主張しているとされ、特捜部は授受の有無や趣旨を慎重に調べている。
籔本容疑者は現金提供の理由について「板橋病院に関する謝礼ではなく、2億2千万円とは関係ない」と説明する一方、「日大関連の様々な取引でコンサルタント料を得ていることに対する一般的な謝礼だ」などと供述しているという。
朝日新聞の取材に、田中氏の代理人弁護士は「回答できない」とした。
特捜部の調べでは、籔本容疑者が全額出資する実体のないペーパー会社は2020年8月5日、新しい板橋病院の設計・監理業者に選ばれた東京都内の設計事務所から不正に2億2千万円の送金を受け、日大に損害を与えた疑いがある。
複数の関係者によると、籔本容疑者はその2日後の同月7日ごろ、個人口座から引き出した3千万円を、東京都内の飲食店で田中氏に渡したと供述しているという。
2回の現金提供、指示したのは
籔本容疑者は翌9月末、ペー…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル